査定を依頼して価格の根拠を比べる
準備が整ったら、不動産会社へ査定を依頼します。査定額の高さだけで依頼先を決めるのではなく、どのような物件と比較したのか、建物の状態や土地の条件をどう評価したのか、売り出した後にどのような販売活動を行うのかを確認しましょう。同じ物件でも、想定する買主や販売方法によって提案が異なることがあります。
査定には、物件情報をもとにおおよその価格を出す方法と、現地を確認して精度を高める方法があります。初期の比較には前者が便利ですが、実際の売り出し条件を決める段階では、室内の状態や周辺状況まで見てもらうことが重要です。空き家で立ち会いが難しい場合は、鍵の受け渡し方法や確認してほしい場所を事前に相談します。
査定結果を比較するときは、想定価格に加えて、売却に必要な準備、買主から指摘されやすい点、販売期間の見通しも確認します。高い価格で売り出しても問い合わせが集まらなければ、管理や維持の負担が続きます。反対に、急いで価格を下げると、十分な検討をしないまま手取りを減らすおそれがあります。価格と時間の両方を見ながら方針を決めましょう。
仲介と買取の違いを理解して選ぶ
売却方法には、不動産会社を通じて買主を探す仲介と、不動産会社などが買主となる買取があります。仲介は広く買主を探せるため、物件の魅力が伝われば条件のよい売却につながる可能性があります。一方、内覧や条件交渉が必要になり、成約までの期間は買主の反応に左右されます。
買取は、買主を広く探す工程を省きやすく、売却時期を見通しやすい点が特徴です。残置物が多い物件や修繕が必要な物件でも、条件を調整して進められる場合があります。ただし、再販売に必要な費用や負担が考慮されるため、仲介と比べて提示価格が低くなる傾向があります。価格だけでなく、片付け、修繕、内覧、引渡し後の対応などを含めて比較してください。
| 比較項目 |
仲介 |
買取 |
| 価格の考え方 |
市場の反応を見ながら買主と交渉する |
提示された条件をもとに判断しやすい |
| 売却までの見通し |
問い合わせや内覧の状況に左右される |
日程を調整しやすい |
| 売主の対応 |
内覧準備や条件交渉が必要 |
対応を抑えられる場合がある |
| 向いている状況 |
時間をかけて条件を検討したい |
早めに整理したい事情がある |
媒介契約から売却活動までの進め方
仲介を選ぶ場合は、売却を依頼する契約を結び、売り出し価格や販売方針を決めます。契約内容によって依頼できる会社の範囲や報告方法が異なるため、名称だけで判断せず、担当者の説明を聞きましょう。広告に掲載する情報、写真の見せ方、内覧の受け入れ方法、値下げを検討する条件も確認します。
内覧前は、生活感を完全になくすことより、買主が建物の状態を確認しやすい環境を整えることが大切です。室内を清掃し、通路を確保し、においや湿気に配慮します。残置物がある場合は、売却前に撤去するのか、引渡しまでに撤去するのか、条件に含めるのかを明確にしてください。庭木や外構の状態も第一印象に影響します。
問い合わせが少ないときは、価格だけを下げる前に、写真や説明が物件の特徴を伝えているか、購入を検討する人の不安に答えられているかを見直します。内覧後の感想を相続人にも共有し、変更する条件と維持する条件を確認します。
売買契約と引渡しの準備を進める
買主が決まったら、価格、引渡し時の状態、残置物、設備、境界、支払い方法などの条件を確認します。契約書の内容は、事前に聞いていた説明と一致しているかを項目ごとに確かめましょう。分からない言葉をそのままにせず、誰が何をいつまでに行うのかを具体的に確認することが大切です。
契約後は、引渡しに必要な書類や鍵をそろえ、片付けや修繕など約束した作業を進めます。住宅ローンなどの担保が残っている場合や、境界の確認が必要な場合は、関係者と日程を調整します。相続人が複数いると署名や書類の受け渡しに時間がかかることがあるため、担当者と連絡手順を決めておくと安心です。
決済時には、売買代金の受け取り、費用の清算、名義を移すための手続き、鍵や関係書類の引渡しなどが行われます。終了後も、契約書や清算書、支払いを証明する書類は一か所にまとめて保管してください。売却後の税金を確認するときに必要になる可能性があります。